季節の刻

谷穹 -陶芸-

板室温泉大黒屋では、6月2日(金)より6月26日(月)まで谷穹展を開催いたします。
谷さんは焼物の産地、日本六古窯のひとつの滋賀県信楽町生まれ。しかし大学では立体造形を学び陶芸とは無縁の生活でしたが2001年頃から本格的に陶芸の世界に入り技術を磨き2003年頃より古信楽について本格的に研究と実践をしながら作陶をされています。
谷さんの作品の特徴は、鎌倉から室町期にみられる古信楽がもつ独特のかせた土肌にあります。信楽焼は桃山時代の茶道の始まりとともに茶人に愛され、茶道具としても使用されてきました。また壺、甕、鉢、食器など現代の信楽焼につながっている側面がありますが、谷さんは信楽の壺は野趣的でなく、みやこに近い焼物であるのが本来の信楽だったのではないかとおっしゃっています。しかし昔の姿を模倣し写しつくるのではなく、現代の美意識に添いながらこれまでの方法論を見直しつつ実践していく作品には不思議と時間の重みも感じることができます。
大黒屋では初めての個展となる本展は、大壺、蹲、向付、薬器、酒器、食器などさまざまな全170点を展示いたします。穴窯では主に壺や茶碗を焼き、いってこい窯では主に食器、電気窯では緑釉の器の制作と3種の窯を用途で分けながら制作しています。ぜひご高覧いただけたら幸いです。

 
 
*休館日: 6月13日14日15日
*6月2日16日のみ13:00開館