季節の刻

對木 裕里 展 -第11回大黒屋現代アート公募展大賞受賞者-

板室温泉大黒屋では2017年10月1日から10月30日まで、第11回大黒屋現代アート公募展大賞受賞者、對木裕里による個展を開催いたします。
 
對木は、石膏、粘土、木材、シリコン、ブロンズ、石など様々な素材を使用して作品を制作しています。
本展では石膏を型取りする彫刻作品を中心に空間を構成し、レリーフなども含め新作およそ25点の作品を展示致します。
 
 
 
 
手と手を合わせると、そこには同じくらいの力でお互いを打ち消しあう場が生まれます。
ものが存在するためには、正反対の力が必要です、存在は矛盾を必要としています。
作ったものを壊したり、あったものがなくなったり、自分の身体が移動したり、制作の過程で物事の重心はゴロゴロと転がり続けて、ふっと手の中に落ちてきます。
単純な関係性から場は開き、地平は無骨な絨毯のように折り重なって広がってゆきます。
連続した事象の中から、(ときに的外れであっても)物事の関係性を見つけ、彼方の土地を耕すようにものに触れたいと思っています。

對木 裕里

 
 
 
対象のもの自体ではなく、人とものと空間の次元の変化に関心を持つ對木は、事物・空間に含まれる触感・重量・位置・方向性などの抽象的な要素を一度内在化し、自身の感覚でそれらを改めて解釈・再構成してから新たな「かたち」として提示することで、物事の関係や立ち位置の変化、新たな場の創出を模索しています。
さまざまな素材を使用して作られる作品はユニークな造形感があり、「変化することを内包した形体観がある」と公募展審査員である菅木志雄は評しており、動的でない作品から動きを感知することができるのは對木の作品の魅力の1つと言えるでしょう。
今回は栃木県での初の個展であり、公募展の大賞受賞からおよそ1年半じっくりと時間をかけて制作してきた作品です。是非この機会にご高覧いただけたら幸いです。
 
 
 
 
*10月18日(土)20時からサロンにてアートを語る会(アーティストトーク)を行ないます。
作家在廊予定日:10月の毎週末
プレスリリース
展覧会情報、作品画像等は大黒屋Blogにて更新しております
 
 


 
 
 
略歴 
1987年生まれ。 
武蔵野美術大学造形学部彫刻家卒業後、京都市立芸術大学大学院彫刻専攻修了。

近年の主な展覧会に
「ざらざら」gFAL, 武蔵野美術大学, 東京(2017)
「Showcase Gallery」横浜市民ギャラリーあざみ野エントランスロビー, 神奈川(2017)
「Identity XII – Memorandum on Sublime curated by Taro Amano」nichido contemporary art, 東京(2016)
「第4回新鋭作家展」[本の場]川口市立アートギャラリー・アトリア, 埼玉(2015)
「左みずうみ」alainistheonlyone, 東京(2015)
「分け入って、分け入って」古書まどそら堂, 東京(2014)