季節の刻
安齊 賢太 展 -陶芸-
板室温泉大黒屋では2024年5月31日(金)より6月30日(日)まで、陶芸家の安齊賢太による個展を開催いたします。2016年、2020年に続く4年ぶり3回目となる大黒屋での個展。1980年福島県生まれ。大学卒業後、会社員を経て京都伝統工芸専門学校にて陶芸を学び、その後渡英しダニエル・スミス氏に、帰国後は静岡にて黒田泰蔵氏に師事し、2010年福島県郡山市にて独立、現在も同地で作陶しています。安齊さんの黒のうつわは洗練されたフォルム、質感が特徴的です。粘土を成形し一度焼いた後に、磁器質の黒土に漆を混ぜたものを塗り、乾燥させては磨きあげるという作業をおよそ10回ほど繰り返し、最後にそれを焼きつけ磨きあげて仕上げます。漆は土台となる焼物に黒を定着させる糊の役目をはたしており、またうつわの強度を高めています。独自の制作方法でつくる作品は、独特の質感を伴い不思議と長い年月を感じさせ自然石のように固くも肌のような柔らかさを備えています。
以下、本展覧会にむけて
「自分が物を見る時に気をつけている事は、なんの構えもなく見るという事です。編集された空間ではそれもなかなか難しいと思いますが、その点で大黒屋さんは日々の生活に近いところで展示が見られる場所です。お茶を飲みながら、食事をしながら、庭を見ながら。お勧めは夜に温泉に浸かった後、暗がりの誰もいない場所で見る展示です。そんな中でスッと気になるものを見つけてもらえたら幸いです。嬉しいことに上野さんにも花をいけていただけるとのことで、それも楽しみにしています。どうぞよろしくお願いいたします。」 安齊賢太
本展では花器、壺を中心におよそ80点を展示いたします。近年は、中国、台湾、ニューヨーク、ヨーロッパなどでも展覧会を開催し、国際的にも活躍されています。一度触れたら忘れることのできない感覚、そんな美意識に働きかける作品です。ぜひご高覧いただけたら幸いです。
【特別企画】花道家の上野雄次氏による、展示作品への「花いけ」を初日4日間限定(5/31, 6/1, 2, 3)で催します。ぜひご来館お待ちしております。*宿泊以外の方もご覧いただけます。
*作家在廊予定日:5月31日 6月1日