季節の刻

上野 友幸 展 「花蝶風月」

板室温泉大黒屋では、10月1日(木)より、10月30日(金)まで、美術家、上野友幸による個展「花蝶風月」を開催いたします。
上野は、東京芸術大学大学院先端芸術表 現修士課程修了後に渡独。ベルリン芸術大学にてマイスター課程を修了。現在もドイツ・ベルリンを拠点に活動しています。日常的に存在するものの形態やイメージと歴史的な彫刻的構造や 絵画的イメージを対峙又はミックスさせることで、イメージや彫刻が認識に与える原理、特性について探求しています。
上野は、自身の作品制作について以下のように述べています。
「私たちの日常に存在する「形態」と、歴史的な「彫刻の構造」を重ねることで、芸術にリアリティーを与え、同時に日常の眼差し(認識の枠組み)を変えたいということが、私の作品制作における動機である。通常、我々は世界を認識するときに自分と世界、自分と他者のように二元論で考えているのではないだろうか。それに対して、禅の教えでは自分も世界も他者も全てが一つであると捉えると言われている。それは食を通して無数の命を自身に取り込むように、生と死が繁殖とともに繰り返されるように、人も空気も宇宙の全てが分子で構成され、その分子が入れ替わっているように、世界が一つだと捉えることは理にかなっている。しかし、我々の知識は物事を分けて、そして対立させることで成り立っている。」
大黒屋では初めての個展となる本展では、近年手掛けている大理石プレートとアクリルマウントの写真を組み合わせたシリーズや、化石の彫刻シリーズなど、新作11点を含む全18点を展示いたします。この機会に、ぜひご高覧いただけたら幸いです。

*展覧会はご宿泊以外の方もご覧いただけます。

上野 友幸 Tomoyuki Ueno

1982年、神戸生まれ。東京芸術大学大学院先端芸術表現修了後、2008年からドイツに滞在。シュトゥットガルト造形芸術大学彫刻クラスに研究生として一年間在籍、そしてポーラ美術振興財団在外研修員としてベルリン芸術大学アートアンドメディアクラスにてマイスター課程修了。2017年よりアーティスト・イン・レジデンスの先駆的存在である「クンストラーハウス・ベタニエン・ベルリン」での1年間のレジデンスに参加。現在もドイツ・ベルリンを拠点に活動しています。

-略歴-
2006 成安造形大学 造形学部 デザイン科 ハイパーメディアクラス 卒業
2008 東京芸術大学大学院 美術研究科 先端芸術表現専攻 修士課程修了
2008 シュトゥットガルト造形芸術大学 彫刻クラスに研究生として一年間在籍
2012 ベルリン芸術大学 デザイン科 アートアンドメディア マイスター課程修了

-個展-
2010 rouse and reflection / Neonchocolate Gallery, ベルリン
a song / INTERVENTIONSRAUM, シュトゥットガルト
2014 another dimension / REH-transformer, ベルリン
2015 Unity and Force / MATSUO MEGUMI +VOICE GALLERY pfs/w, 京都
It was like that / Raketenstation Hombroich (Stiftung Insel Hombroich), ノイス 2016 On the Ashes / MATSUO MEGUMI +VOICE GALLERY pfs/w, 京都
2018 Schwarzwald / Künstlerhaus Bethanien, ベルリン
2019 Eine Liebe von Dreihundertmillionen Jahren / theartape, カールスルーエ
Sky Sculpture / Galerie Martin Mertens, ベルリン

-助成 / 賞歴-
2005 BS-NHK デジタル・スタジアム ノミネート
2009 DAAD(ドイツ学術交流会)奨学金
2011 ポーラ美術復興財団在外研修助成
2012 vkunst frankfurt IV “neue klarheit” 入選 2014 TEI 2014, Arts Track 入選
2015 公益財団法人 現代芸術振興財団 現代芸術振興助成
2020 秋吉台国際芸術村アーティスト・イン・レジデンス・サポート・プログラム